Makeup-SAYURI肌と向き合うメイクアップ

【メイクアップアーティストSAYURI】 人・地球環境・社会にやさしい美容を考える

日焼け止めの成分

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紫外線吸収剤、紫外線錯乱剤について。

美容に携わっている方はもちろん、美容に興味がある方はご存知な成分だと思います。

先週、美容関係者の方々へ講師をする機会があって。ちょうど紫外線が気になり始める時期、そして今年1月にハワイ州全土で日焼け止めの販売規制の法律も施行された事もあったので、少し日焼け止めの話をしてみました。

こっちは肌に負担が?こっちは肌にやさしい?何となく分かるけど、詳しいことは分からないかも?と。そういう方が多かったので、本日は日焼け止めの中に入っている成分が、どのように紫外線をカットし、どんなメリット、デメリットがあるのか少しお話ししてみようと思います。

 

紫外線がシミやシワ、たるみなど肌の老化の原因の繋がる。これは、ほとんどの方が知ってることだと思います。

紫外線による「光老化」は、太陽の光を浴びる事によって細胞内で活性酸素が作られ、その活性酸素がシミを作る細胞に刺激を与えたり、肌のハリや弾力保つ細胞に傷をつけたりする事で起こります。

 

その紫外線を防いでくれる日焼け止めには含まれているUVカット成分としては主に、紫外線吸収剤、紫外線錯乱剤この2つがあげられます。

「紫外線吸収剤」は、石油系由来の合成成分で作られています。白浮きやベタベタもせずに塗り心地がよく、汗をかいても落ちにくい崩れにくい!UVカット効果が高いなどの優れている点が沢山あります。

でも…落ちにくい、崩れにくさなどを出せるということは肌負担もそれなりにあるということ。また、紫外線吸収剤は、肌の表面で紫外線を吸収し化学反応をおこして紫外線を防ぐという事になりますので、肌に刺激を与える可能性があり、アレルギーや発疹がでたりと、特に肌が弱い方はトラブルを起こしやすい成分なんです。

今までもハワイの一部のビーチなどでは日焼け止めの成分について使用規制がありましたが、今年の1月1日にハワイ州全土でサンゴ礁を劣化させる有害な石油系由来の合成成分の紫外線吸収剤「オキシベンゾン」と「オクチノキサート」を含む日焼け止めの販売を禁止する法案が施行されました。

理由は、それらの成分によって珊瑚の奇形が生まれたり、死んでしまうという影響が出ているからです…。また、オキシベンゾン類などが入っている紫外線吸収剤は体内に取り込まれ、血中に流れ込んでしまい環境ホルモンにも影響があるとも…言われています。環境ホルモンとは体内にも侵入して人体のホルモンバランスを崩す影響があるといわれていて、海外では研究でも問題視されている成分。

それが人体にどういう影響があるのか、まだまだ計り知れていませんが…

だけど、ちょっと怖くないですか?

珊瑚にも影響を与えていて環境ホルモンの影響があると言われている成分…自分にも塗るって…。

でも…日本の日焼け止めには、それらの成分が入っている商品が溢れているんです。

 

もう一方の「紫外線錯乱剤」は、先ほどの吸収剤とは違って、酸化チタンや酸化亜鉛などの天然の無機粉末(天然鉱物)から作られています。それら鉱物の粒子が光を反射や乱射する働きで紫外線を防ぐので、肌への負担や刺激が少なくなりますので、こちらの方が肌に優しい日焼け止めの成分になります。

デメリットとしては、ファンデーションなどにも使われている成分ですが、天然の白色顔料になりますので、白浮きしやすく、やや重めのテクスチャーで使用感を優先するとSPF15位までしか配合できない、崩れやすいなど…使用感としてだけを考えれば紫外線吸収剤には完全に劣ってしまいます。

 

でも、使用感が劣ってしまったとしても、私は日焼け止めを塗る事を考えたら「紫外線錯乱剤」配合のものを選びます!

肌に負担をかけない分、塗り直す事が必要だったりしたとしても、自然環境や肌の負担になるものは避けていきたい。

ケミカルな成分は、微生物などによる自然分解ができないので、ずーっと分解されず残ったまま…それが環境に何かしら影響を与えているんです。珊瑚のように…。

今はいいかもしれないけど、自分の子供その先の子供…未来の環境の為に今できる事。

今生きている私たちが、自分の肌に安心安全で環境にもやさしいコスメを使って、美しい海や川、自然を守ってるいくこと。

私1人がメイク用品を変えたとしても、全く自然環境を守られるわけじゃないけど…これがどんどん周りにも広がったら!!ちょっとでも大きくなる!広げていきたい!笑

今、私が肌と向き合うメイクを考えているのは、そんな想いがあるからです。

最後に。紫外線錯乱剤使用の日焼け止めだとしても、その他の配合成分に石油系由来の合成成分などを使用している日焼け止めもありますので、紫外線錯乱剤使用の日焼け止め=完全なノンケミカルな日焼け止めという事になるわけではありませんが。(私が今までご紹介したメイク下地&日焼け止めは完全合成成分不使用になっています)

でも、ハワイで販売規制されているいる様な紫外線吸収剤の成分が入っていない日焼け止めを選ぶ!それだけでも!自分の肌にも環境にも何か守る事に繋がる事になるんじゃないかと思います。

 

長くなりましたが、最後までお読み頂き

ありがとうございました。

次回は、また肌と向き合うコスメリサーチご紹介していきます。